【季節を感じる】1月:最初に火にかけるもの

こんにちは!FARM CANNINGのマイです。

2025年は季節にまつわるあれこれを毎月1回更新してきましたが、今年も変わらず季節に関することを綴っていこうと思います。

タイトルはちょっと変えて【季節を感じる】にしてみます。

今月は、わたしの冬の朝の習慣について。

白湯を通して感じた、水と火と道具の話です。


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数年前の夏のこと。

道を歩いていると、突然知らないおじさまに声をかけられました。

「冷たいものばかり飲んでるでしょ。ダメだよ」

続けて、少し早口で、

「身体が弱ってる。暑いけど、なるべく常温のお水を飲んで。

まだ若いのに、クマがすごい。身体、冷えてるよ」

と、たたみかけるように。

驚いていると、

「僕、怪しい人じゃないんだよ。漢方の先生なんだ。

どうしても伝えなきゃいけない気がして来ちゃった。急にごめんね。でも、覚えておいて」

そう言い残して、去っていきました。

……どう考えても怪しい人でした。

でも、不思議と怖さはなくて、息継ぎもせずに話してくれたその様子に、

「これは聞いておいたほうがいいのかも」と思ってしまいました。

素直なわたしはその日から冷たい飲みものを少し控えるようになりました。

最初はまずくて飲めなかった常温の水も、今では暑い日でも飲めるようになりました。

あの出来事がきっかけだったのかは、正直わかりませんが気付けば冬の朝は白湯を飲むように。

冬の朝、まだ体が完全に起きていない時間に、まず火にかけるものが白湯、という日が増えました。

最近になって、同じ水なのに、土鍋とステンレスの鍋では味が違うことに気づきました。

(鍋で沸かしてるんかい、というところは無視してください)

土鍋で白湯を沸かすと、沸騰するまでに少し時間がかかります。

そのあいだ、キッチンは静かで、聞こえるのは火の音くらい。

真っ暗な中で青い炎を見ているのもとっても心が落ち着きます。

やっと沸いた白湯をカップに注ぎ適温になるまで冷ます。

ようやく飲めるようになった白湯は喉を通るとじんわり体に広がっていくような感じがして、思わず「あったまるぅ」と声が出ます。

なぜステンレスの鍋との違いがあるのか理由はよくわかりませんが、わたしはこの土鍋で沸かした白湯が好きです。

鍋の素材の違いなのか、形の違いなのか、火の伝わり方なのかもしれません。

ただ、白湯はとても正直な飲みものだな、と思います。

何も足さないからこそ、水と火と道具の違いが、そのまま表れるのかもしれません。

冬は、水が冷たくて、火が恋しくなる季節。

だからこそ、どう沸かすか、何で沸かすか、そんなことに自然と目が向くのかもしれません。

調味料の前に、水があって、レシピの前に、火がある。

冬の朝の白湯は、そんな台所の原点を、そっと思い出させてくれます。


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ひと箱のプランターに、おいしい夢を詰め込んで。〜葉山の小さな家庭菜園 Vol.1〜

はじめに〜冬の澄んだ空気の中で、春を想う〜

こんにちは、FARM CANNINGスタッフのちこです。

暦の上ではまだ冬。葉山の風もまだ冷たさを残していますが、土の中では少しずつ、次の季節への準備が始まっているのかもしれません。

新しいコラムの連載を始めさせていただくことになりました。 シリーズ名は、「ひと箱のプランターに、おいしい夢を詰め込んで。」

これは、私が自宅の小さなお庭で繰り広げる、ささやかな「家庭菜園の実験記録」です。

葉山の冬は空気がとても澄んでいます

完璧じゃなくていい。「育てる」を楽しむ実験。

私が土に触れる暮らしに目覚めたのは、大学3年生の頃。 もうかれこれ十数年になりますが、今でもいわゆる「Green fingers -緑の指 -」を持つプロフェッショナルではありません。
※green fingers…植物を育てるのが上手な人のたとえ

忙しい日々に追われ、枯らしては肩を落とし、一度は諦めかけ……それでも、ふとした瞬間に「やっぱり育てたい」という想いが芽吹き、また土に向かう。そんなサイクルを繰り返してきました。

5年前に葉山に引っ越してきてからは、大きなプランター3台といくつかの植木鉢、そして小さな花壇が2つだけの、今のスタイルに落ち着きました。 広い畑はありません。それでも、多い時には30種類もの植物たちが、小さなお庭でひしめき合いながら、季節を教えてくれます。

春先に出てきた紫水菜の芽。とってもかわいいけど、このあと虫食いだらけになりました・・・泣

「ひと箱」という小宇宙

今回、コラムを書こうと思ったのは、「育てる暮らし」がくれる豊かさを、皆さんと共有したかったから。

たとえプランターたったひとつでも、そこには小さな自然の循環があります。 種をまき、芽吹きを待ち、香りを思い切り吸い込み、瑞々しいハーブや野菜を食卓に並べる。 そんな「自然との対話」を、忙しい日々の隙間に少しだけ取り戻してみる。それだけで、暮らしの解像度が少し上がる気がするのです。

私はプロではないので、教科書通りの「正解」はお伝えできないかもしれません。 その代わり、等身大の私が「やってみたい!」「楽しい!」と感じた実験の数々を、このコラムに綴っていきたいと思います。

葉山2年目のときに植えたスイスチャードと、根っこから再生栽培した小ねぎ。初夏は青々してにぎやか

今年の夢は「アジアン・ダイニング」

さて、記念すべき連載第1弾。 今回は「ひと箱のプランター」にフォーカスして、欲張りに私の食いしん坊な夢をぎゅっと詰め込んでみたいと思います(笑)

テーマは、「アジアン料理を楽しむプランター」。 

家庭菜園の定番といえば大葉(シソ)やバジルですが、今回は少し旅する気分で。 タイ、ベトナム、韓国……あの大好きなアジアの風を自宅で感じるために。 「大葉よりも、パクチーを」 そんな合言葉で、香り高いハーブや野菜たちを育ててみようと企んでいます。

ヤムウンセンが大好き。カオソーイもおいしいですよね。葉山のタイ料理屋「Baan Rey」さんはタイすきもおすすめ。

まだ寒い今から準備する理由。

家庭菜園で人気のトマトやピーマンなど「夏野菜にはまだ早いのでは?」 と思われるかもしれません。

確かに、一般的な夏野菜を植えるのは4〜5月頃。そして彼らが輝くのはほんの3〜4ヶ月。 でも、せっかくの「ひと箱の夢」です。できるだけ四季を通して長く、その恵みを味わいたい。

だからこそ、まだ寒さの残る今から準備を始めます。 満開の桜と共に最初の収穫を迎え、夏、そして秋へと続く長いリレーを楽しむために。 これは、季節を少しだけ先取りする、私なりの実験です。

さあ、一緒に始めませんか?

このコラムは、成功も、時には失敗も含めた、リアルな記録です。 これから月1回のペースで、春に向けた準備や、植物たちが育っていく様子をお届けします。

もしよかったら、皆さんもプランターを「ひと箱」だけ用意して、私と一緒においしい夢を詰め込んでみませんか?

次回は、具体的な「アジアン・プランター」の設計図と、選んだ種のお話を。 どうぞ、お楽しみに。

Written by スタッフ ちこ

【季節を知る】12月:お節料理のあれこれ

今年も残すところあと3日となりました。

お節料理を作る方にとっては準備で大忙しの日々ではないでしょうか?


これまで何度かお節料理を作ってきましたが、去年はFARM CANNINGのスタッフで集まって42人前のおせちを作りました!

数字だけを聞くととんでもない量ですが、それぞれ分担して、ワイワイしながら作ったのでとても楽しかったです。


ちなみに、今年は48名分!

去年の教訓を活かし、今年は「おせちミーティング」もし、事前準備バッチリです◎

忘年会前にカフェでおせちミーティング。メニューと役割分担を決めました。

こちらが去年作ったおせちたち。

お重に詰めるところをインスタライブしよう〜!なんて話してたけど、そんな時間は全くなくて、各自自宅に戻って詰めました。

去年作ったメニューはこちら

黒豆
まめに、健やかに。
働くことも、休むことも、どちらも大切にできる一年を願って。

田作り
豊作をもたらす縁起物。
日々の積み重ねが、ちゃんと実を結びますように。

えびの伊達巻
えびは長寿、伊達巻は学びや知恵の象徴。
歳を重ねながら、心も豊かに成長できますように。

栗きんとん・百合根きんとん
黄金色は、実りや豊かさの象徴。
百合根は幾重にも重なることから、幸せや喜びが重なっていく願いが込められています。

たたきごぼう
地中深く根を張るごぼうのように、家や暮らしの土台がしっかりと安定しますように。

サワラの西京漬け
サワラは成長とともに名が変わる出世魚。
西京味噌の甘みには、円満さや穏やかさの意味も。

たこの旨辛煮
たこは「多幸」に通じる縁起物。
しっかり根を張る姿から、地に足のついた一年を願って。

お煮しめ
野菜それぞれが形を保ったまま煮含められることから、家族や人とのご縁が、ほどよい距離感で穏やかに続いていくように。

生麩の含め煮
「麩」は“ふくらむ”につながる縁起物。
物事や気持ちがやさしく広がり、実りある一年になりますように。

紅白なます
紅白はお祝いの色。
人との調和や、平和な日常が続くように。

柚香のひょうたん型寒天ゼリー
ひょうたんは、無病息災や魔除けの象徴。
柚子の香りには、邪気を払う意味もあり、新しい年を清らかに迎える願いが込められています。
今回は徳島県の柚香(ゆこう)を使用しました。

おせちは、縁起を担ぐ料理であると同時に、素材を無駄なく、丁寧に味わうための知恵の集まり。

FARM CANNINGが大切にしている「素材に向き合う姿勢」は、実は昔から、こうした食文化の中に息づいているんですね。

1年間「季節を知る」を読んでいただきありがとうございました!

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【季節を知る】11月:酉の市

だんだんと寒さが増してきて、なかなかベッドから出られなくなってきました。

気づけば心地よい秋は過ぎ去り、いよいよ冬がやってきたんですね〜。

そんな冬の始まりに、浅草の酉の市へ行ってきました!

「酉の市」は、毎年11月の酉の日に開かれるお祭りで、日本武尊(やまとたけるのみこと)などをお祀りし、商売繁盛や開運を願います。

縁起物の熊手には「福やお金をかき集める」という意味があるそうです。

FARM CANNINGは、今年で3回目。

今年は特に賑わっていて、寒さも感じないほど威勢のいい掛け声や人々の笑顔に、「また一年がんばろう!」という気持ちが自然と湧いてくるような、そんな賑やかな空間でした。

ちなみに。

大阪で育った私にとって、商売繁盛といえば「えべっさん」でした。

1月に行われる “十日戎(とおかえびす)”では、笹に小判や鯛を飾った福笹を手に、「商売繁盛で笹持ってこい〜♪」という唄が境内に響き渡ります。

関東の「酉の市」と、関西の「十日戎」は、どちらも“商売繁盛” を願うお祭りですが、少しずつ違いがあります。

酉の市は11月に開かれ、縁起物は熊手。

一方、十日戎は新年の1月に開かれ、縁起物は福笹や福箕。

同じ「福を願う心」でも、地域によって祈り方や風景が少しずつ違うのが面白いですね。

昔から受け継がれてきた“商売繁盛”の願いには、人のあたたかさと前を向く力が詰まっている気がします。

その福を少し分けてもらって、心軽やかに、やさしい冬を迎えたいと思います。

今年最後の酉の市は11/24(月)に開催されます。

ぜひ商売繁盛を願って、活気あふれる空気に触れてみてくださいね!

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【季節を知る】10月:秋の夜長

10月に入り、日が暮れるのが一気に早くなりましたね!

ようやく秋を感じるようになりホッとしています。


涼しい時間が増え、夜の時間が長く感じられるこの季節は、昔から「秋の夜長」と呼ばれてきましたが、みなさんはどんなふうに過ごしていますか?

私は5年ほど前にかぎ針編みを始めてから、すっかり編み物の世界にハマってしまいました。

編み始めると止まらなくて、休みの日は朝起きた瞬間から(!)食事も取らずに編み続ける、なんてことも多々ありました。

息もしていないのでは?というほどの過集中はあまり良くないですね。

ということで、今まで日の目を見ることのなかったあれこれを見ていただけますか?笑

じゃーん!!

初めのうちは、ただただ編んで完成させるのが楽しくて、編みたいものを編んでは勝手にプレゼントしてました。

が、そのうちに、ふと、受け取る側も迷惑なのでは?と気づき、最近は自分が欲しいと思うものだけを編むようにしています。笑

編み物をしていると、目を無心で数えるので、ある種の瞑想のようなもので気持ちいんですよね。

スマホを手放して、指先から少しずつ形が生まれていく、そのゆっくりとした時間が、今の季節にもちょうどいい気がします。

秋の夜長は、自分の“好き”と向き合うのにぴったりな季節ですよね!

読書、料理、写経、そして編み物など、手を動かしながら、心まであたたまるような時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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