【季節を知る】6月:夏越の祓と水無月

今年の6月、ひとつ素敵な季節の行事を知りました。

名前を聞いたこともなかった「夏越の祓(なごしのはらえ)」と、それにまつわる和菓子「水無月(みなづき)」のことです。

たまたま本で見かけたのがきっかけで、知ったのですが、
「6月の終わりに神社で茅の輪(ちのわ)をくぐると、半年分の穢れが祓える」んだそう。

京都を中心とした関西地方では、その日に、氷のかたちを模した和菓子を食べるのだとか。
「水無月」というその和菓子は、白いういろうの上に小豆がのった、三角の形をしたもの。
小豆には魔除けの意味があって、三角のかたちは氷を表しているんだそうです。

昔の人たちは、夏の暑さを乗り切るために、こうしてお菓子に願いを込めていたんですね。
なんだか、とても美しい風習だなと感じました。

それでは、わたしも水無月を作ってみようと思います。

◆水無月(15cm角の型1台分)

【小豆の下ごしらえ】 ※市販の「ゆで小豆(甘煮)」でもOK!

材料:

  • 小豆…100g

  • 砂糖…80〜100g(お好みで)

  • 塩…ひとつまみ

手順:

  1. 小豆をさっと洗い、たっぷりの水で一度ゆでこぼす(アク抜きのため)。

  2. 再度たっぷりの水で煮て、指でつぶれるくらいまで柔らかくする(弱火〜中火で40分〜1時間ほど)。

  3. ゆで汁を少し残して湯を捨て、砂糖を2〜3回に分けて加えながら煮詰める。

  4. 最後に塩を加えて味を整える。

  5. 冷ましておけば、保存も2〜3日OK(冷蔵庫)。


【材料】

  • 上新粉(または米粉)…100g

  • 砂糖…80g

  • 水…200ml

  • ゆで小豆(甘く煮たもの)…50〜70g

  • 塩…ひとつまみ

【作り方】

  1. 型にクッキングシートを敷いておく。

  2. ボウルに粉・砂糖・塩を入れて混ぜ、水を少しずつ加えてのばす。

  3. 生地の2/3を流して10分ほど蒸す。

  4. 表面が固まったら小豆を散らし、残りの生地を静かに注ぐ。

  5. さらに15分蒸し、冷めたら冷蔵庫へ。

  6. よく冷えたら三角に切って、できあがり!


気づけば、6月の終わりを待つのがちょっと楽しみに。
夏越の祓のことを知ったおかげで、今年の折り返しがなんだか特別に感じられそうです。

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【季節を知る】5月:初夏の発酵

みなさん、こんにちは。FARM CANNINGのマイです。
今月は旬のそら豆を使って豆板醤を仕込みます!(ちゃんと覚えていました!)

突然ですが、わたし、辛いものが苦手なんです。
豆板醤を自ら仕込む日が来るとは思いもしませんでしたが、なぜか去年初めて仕込んだんですよね。

そうしたら、自家製豆板醤で作る麻婆豆腐の美味しいこと!!!
麻婆豆腐が大好きなのに、お店では辛くて食べれないので、豆板醤はわたしにとって欠かせない調味料になりました。


ちなみに、いつもの如く、工程は至ってシンプル。
そら豆を蒸して、潰して、混ぜて、寝かせる。
だけ。

生のそら豆を使うので、水で戻す時間もないし、蒸す時間も短時間です。

ではさっそく。

◆豆板醤

【材料】
 • そら豆   :さやから出して200gぐらい
 • 米麹    :50g
 • 塩     :30g
 • 唐辛子粉  :20g
 • 味噌    :お好みで小さじ1
 • 蒸し/茹で汁:必要にお応じて

【道具】
 • 大きなボウル
 • 清潔な保存容器(ガラス瓶がおすすめ)

【作り方】
1. そら豆を蒸す/茹でる
 
• そら豆のお尻と反対側に包丁で切り込みを入れてから蒸すと、薄皮がつるん!とむけます。


2. 蒸し上がったそら豆の薄皮をむいて、潰す


3. 残りの材料を全て混ぜる
 
• パサパサしていたら蒸し/茹で汁を加えてペースト状にする

ここから大さじ3ほど水分を足しました


3. 瓶に入れて寝かせる
 
•半年後から食べられますが、1年ほど寝かせたものの方が美味しかったです。


発酵を促したり、コクが増すみたいで、今年は少しお味噌も一緒に入れてみました。

ぜひ、旬のそら豆を使って作ってみてくださいね!


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【季節を知る】4月:春の発酵

おっと、あぶないあぶない。
危うく3ヶ月坊主(3回坊主?)になってしまうところでした。

みなさんこんにちは、FARM CANNINGのマイです。

今年の1月からコラムに挑戦し始めて、4回目。
今月は春の発酵ということで『春キャベツのザワークラウト』を仕込んだので、ご紹介しようと思います。

ザワークラウトとは
キャベツを塩で漬けて乳酸発酵させたドイツの伝統的な保存食です。
ドイツ語で「酸っぱいキャベツ」という意味なんだそう。
特に肉料理の付け合わせの定番で、ザワークラウトの酸味が肉料理の脂と相性◎!

本場ドイツではスパイスやハーブも使うようですが、今回はシンプルに塩のみで仕込みます。


◆春キャベツのザワークラウト

【材料】
 • キャベツ:500g
 • 塩:15g(キャベツの重量の2-3%)

【道具】
 • 大きなボウル
 • 清潔な保存容器(ガラス瓶やホーロー、陶器など)

【作り方】
1. キャベツの下準備
 
• 外側の汚れた葉は取り除き、きれいな外葉を2〜3枚残しておく(最後に上からかぶせる用)。
 • 残りは千切りに。

2. 塩もみ
 
• ボウルにキャベツを入れ、塩をまんべんなくふる。
 • 水分が出てくるまで、手でよく揉み込む。
 • キャベツがしんなりして、底に水分がたまってきたらOK。

3. 容器に詰める
 
• キャベツを押しつけるようにして容器に詰める。空気が入らないようにぎゅうぎゅうに!
 • 出てきた水分も一緒に注ぎ入れ、キャベツが水分から出ないようにする。
 • 残しておいたキャベツの葉を上にかぶせる。

4.  発酵させる
 
• 室温(20〜25℃)で1週間ほど置く。
 • 味を見て、酸味が出ていれば発酵成功。お好みのタイミングで冷蔵庫に入れ、保存する。

【注意点】
 • 保存容器はアルコールまたは熱湯で消毒する。
 • 発酵中はキャベツが空気に触れないように、たまに押し込んで水分に浸かるようにする。
 • 1週間ほどで発酵が進んだら冷蔵庫で保存する。

工程を文字で読むと長いですが、簡単にまとめると

切って、塩ふって、揉んで、容器に入れるだけ!


暑い時期に仕込む場合は、塩をキャベツの3-5%に増やしたり、キャラウェイシードやローリエなどと一緒に漬けたり、お好みに合わせて調整してみてくださいね!

そうそう、最後まで食べ切らずに少し残しておき、次の仕込みの際に混ぜると発酵が促進されるそうです。

次回は「初夏の発酵」というテーマで豆板醤を仕込みたいと思います。
忘れませんように!(わたしが)


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【季節を知る】3月:茶飯釜

みなさん、こんにちは!FARM CANNING のマイです。
今月で3回目、3月のコラムは「まぼろしのお茶事、茶飯釜について」にしようと思います。

実は数年前から、ファームキャニングのスタッフ数名で細々と茶道のお稽古に通っています。
その名もファームキャニング茶道部。(そのままです)
とは言っても、1ヶ月に1回程度のお稽古でお茶をたてられるようになるはずもなく、今はリフレッシュの一環と化しています。

今月は「まぼろしのお茶事があるよ」と教えてもらって楽しみにしていた【茶飯釜】というお茶事に参加してきました。
茶飯釜(さはんがま)とは、懐石料理のご飯を茶席で炊くお茶事のこと。
普段お茶をたてるときにお湯を沸かす釜でお米を炊きます(!)

この日は九ツ井の料理長がおもてなしをしてくださいました。

炭に火がつくまで、わたしたちも竹筒を使ってふーふーと空気を送り、ようやく炊き上がったご飯の美味しいこと、美しいこと!

炭火で炊き上がったご飯

サクラダイのお刺身。懐石料理はお醤油を使わないので少しのワサビと穂紫蘇でいただきます。

懐石料理で1番のご馳走と言われる煮物椀。この日は若竹とわかめの真薯のお吸い物でした。
てっきり筑前煮のような煮物が入っているのかと思ったことは秘密です。

サクラマスの粕漬け

長芋とつみれのお味噌汁は、白味噌の優しい甘味

サクラダイにサクラマス、若竹にわかめ、ホタルイカにフキなど、季節の食材をふんだんに使った懐石料理と新酒をいただきました。
お食事の後は先ほどまでお米を炊いていた釜でお湯を沸かし、今回はお稽古のお茶事だったので略式で薄茶をいただいて、約3時間の会は終了です。

非日常的で特別な体験でしたが、一つ一つ丁寧に手をかけられた自然な味付けの懐石料理を前に、「丁寧なふつう」がいかに幸福かを感じた貴重な時間でした。

目まぐるしく過ぎていく毎日に、ほんの少しでも心を落ち着かせて一服する時間があること、本当にありがたいですね。

先生とお弟子さんとわたしたちスタッフ。それぞれお着物で参加しました。


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【季節を知る】2月:寒仕込み

みなさん、こんにちは。先月からコラムに挑戦し始めました、マイです!

コラム初心者ということで、何かテーマがあった方が書きやすいのでは?と「毎月の季節にちなんだあれこれ」を裏テーマ(?)にしようと密かに決めていました。
2月は節分のことにしよう!と思っていたのに、気づいたらバレンタインも過ぎている。。

ということで、節分は来年に回すとして、今回は先日仕込んだお味噌のことを。

今年で味噌作りは3年目。
「寒仕込みがいい」と聞き、毎年2月に仕込んでいたのですが、何が良いのか?調べてみました。


寒仕込みとは
字の通り、寒い時期に仕込むこと。
発酵がゆっくりと進むことで、旨味が増すとされており、風味豊かでまろやかな味噌ができあがるそうです。


、、、調べるもなにも、めちゃくちゃシンプルでした。


ちなみに、寒い時期以外に仕込んではいけないのか、ChatGPTに聞いてみたところ、

『現代では温度管理ができる環境が整っているため、春や秋などの他の季節にも仕込むことは可能です。
温暖な時期に仕込む場合でも、発酵が進みすぎないように温度管理をしっかり行えば、味噌をうまく仕込むことができます。最近では、温度を調整するために冷蔵庫や発酵器を使ったり、風通しの良い場所を選んだりする方法が取られることもあります。
まとめると、寒い時期がベストとは言われていますが、他の季節にも仕込むことができ、温度や管理の工夫次第で美味しい味噌を作ることができますよ!』

とのこと。ふーん、なるほど。ありがと。

浸水前でまだしわしわな大豆

約10時間後、水を吸ってぷっくりした大豆

【味噌の仕込み方】

  1. 大豆の準備

    • 大豆を洗って、たっぷりの水に一晩浸けます。

  2. 大豆を茹でる

    • 浸けた大豆を鍋に入れ、新しい水を加えて中火で煮ます。沸騰したらアクを取り、弱火で約2〜3時間ほど煮込みます。豆が簡単に潰れるくらい柔らかくなったら茹で上がりです。

  3. 大豆をつぶす

    • 茹でた大豆を水分を少し残して、フードプロセッサーやすりこぎで粗くつぶします。完全にペースト状にしないように、少し豆の粒感を残すと、食感が良い味噌になります。

  4. 麹と塩を混ぜる

    • 米麹と塩をよく混ぜ合わせます。

  5. 大豆と麹を混ぜ合わせる

    • つぶした大豆と麹・塩をよく混ぜ合わせます。このとき、手を使ってしっかりと混ぜるのがおすすめです。

  6. 容器に詰める

    • 混ぜた材料を団子状にして、清潔な容器に投げ入れます!空気が入らないように、なるべくぎゅうぎゅうに、隙間なく詰めることが大切です。表面を平らにし、上から塩を少し振りかけると、カビ防止になります。

  7. 発酵させる

    • 容器を涼しい場所で保存し、10ヶ月ほど発酵させます。

麹と塩をこすり合わせる(塩きり)

潰した大豆を加えて混ぜる

混ぜたもので団子を作って保存容器に空気が入らないように投げ入れていきます!思いっきり!

団子をならして、また団子を投げ入れていきます。

去年は 大豆1kg 玄米麹1kg 塩500g で、辛口のお味噌を仕込んだので、
今年は 大豆1kg 米麹1.5kg 塩500g で、麹を増やしてみました。少し甘みが出るかも?
仕上がりは4kgぐらいです。

ちなみに、大豆と麹は FARM CANNING でお世話になっている新潟の上野農場さんのものです。


お味噌作りは、量が多いので時間がかかりますが、大豆を茹でる際に圧力鍋を使うと時短になりますし、
作業自体はとってもシンプルです。

ご家族がいらっしゃる方は、みんなでこねこねすることで、自分たちに必要な常在菌が発酵の手助けをしてくれて、そのお味噌を摂取することでまた必要な常在菌を取り入れられる、なんてことも。
そうそう、同じ材料を使っても仕込む人が違えば味も変わるそうですよ!

菌って、深いですねぇ。

長くなりそうなので、菌についてはまたいつか。
ぜひみなさんで、楽しんで作ってみてくださいね!



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