【季節を知る】4月:春の発酵

おっと、あぶないあぶない。
危うく3ヶ月坊主(3回坊主?)になってしまうところでした。

みなさんこんにちは、FARM CANNINGのマイです。

今年の1月からコラムに挑戦し始めて、4回目。
今月は春の発酵ということで『春キャベツのザワークラウト』を仕込んだので、ご紹介しようと思います。

ザワークラウトとは
キャベツを塩で漬けて乳酸発酵させたドイツの伝統的な保存食です。
ドイツ語で「酸っぱいキャベツ」という意味なんだそう。
特に肉料理の付け合わせの定番で、ザワークラウトの酸味が肉料理の脂と相性◎!

本場ドイツではスパイスやハーブも使うようですが、今回はシンプルに塩のみで仕込みます。


◆春キャベツのザワークラウト

【材料】
 • キャベツ:500g
 • 塩:15g(キャベツの重量の2-3%)

【道具】
 • 大きなボウル
 • 清潔な保存容器(ガラス瓶やホーロー、陶器など)

【作り方】
1. キャベツの下準備
 
• 外側の汚れた葉は取り除き、きれいな外葉を2〜3枚残しておく(最後に上からかぶせる用)。
 • 残りは千切りに。

2. 塩もみ
 
• ボウルにキャベツを入れ、塩をまんべんなくふる。
 • 水分が出てくるまで、手でよく揉み込む。
 • キャベツがしんなりして、底に水分がたまってきたらOK。

3. 容器に詰める
 
• キャベツを押しつけるようにして容器に詰める。空気が入らないようにぎゅうぎゅうに!
 • 出てきた水分も一緒に注ぎ入れ、キャベツが水分から出ないようにする。
 • 残しておいたキャベツの葉を上にかぶせる。

4.  発酵させる
 
• 室温(20〜25℃)で1週間ほど置く。
 • 味を見て、酸味が出ていれば発酵成功。お好みのタイミングで冷蔵庫に入れ、保存する。

【注意点】
 • 保存容器はアルコールまたは熱湯で消毒する。
 • 発酵中はキャベツが空気に触れないように、たまに押し込んで水分に浸かるようにする。
 • 1週間ほどで発酵が進んだら冷蔵庫で保存する。

工程を文字で読むと長いですが、簡単にまとめると

切って、塩ふって、揉んで、容器に入れるだけ!


暑い時期に仕込む場合は、塩をキャベツの3-5%に増やしたり、キャラウェイシードやローリエなどと一緒に漬けたり、お好みに合わせて調整してみてくださいね!

そうそう、最後まで食べ切らずに少し残しておき、次の仕込みの際に混ぜると発酵が促進されるそうです。

次回は「初夏の発酵」というテーマで豆板醤を仕込みたいと思います。
忘れませんように!(わたしが)


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【季節を知る】3月:茶飯釜

みなさん、こんにちは!FARM CANNING のマイです。
今月で3回目、3月のコラムは「まぼろしのお茶事、茶飯釜について」にしようと思います。

実は数年前から、ファームキャニングのスタッフ数名で細々と茶道のお稽古に通っています。
その名もファームキャニング茶道部。(そのままです)
とは言っても、1ヶ月に1回程度のお稽古でお茶をたてられるようになるはずもなく、今はリフレッシュの一環と化しています。

今月は「まぼろしのお茶事があるよ」と教えてもらって楽しみにしていた【茶飯釜】というお茶事に参加してきました。
茶飯釜(さはんがま)とは、懐石料理のご飯を茶席で炊くお茶事のこと。
普段お茶をたてるときにお湯を沸かす釜でお米を炊きます(!)

この日は九ツ井の料理長がおもてなしをしてくださいました。

炭に火がつくまで、わたしたちも竹筒を使ってふーふーと空気を送り、ようやく炊き上がったご飯の美味しいこと、美しいこと!

炭火で炊き上がったご飯

サクラダイのお刺身。懐石料理はお醤油を使わないので少しのワサビと穂紫蘇でいただきます。

懐石料理で1番のご馳走と言われる煮物椀。この日は若竹とわかめの真薯のお吸い物でした。
てっきり筑前煮のような煮物が入っているのかと思ったことは秘密です。

サクラマスの粕漬け

長芋とつみれのお味噌汁は、白味噌の優しい甘味

サクラダイにサクラマス、若竹にわかめ、ホタルイカにフキなど、季節の食材をふんだんに使った懐石料理と新酒をいただきました。
お食事の後は先ほどまでお米を炊いていた釜でお湯を沸かし、今回はお稽古のお茶事だったので略式で薄茶をいただいて、約3時間の会は終了です。

非日常的で特別な体験でしたが、一つ一つ丁寧に手をかけられた自然な味付けの懐石料理を前に、「丁寧なふつう」がいかに幸福かを感じた貴重な時間でした。

目まぐるしく過ぎていく毎日に、ほんの少しでも心を落ち着かせて一服する時間があること、本当にありがたいですね。

先生とお弟子さんとわたしたちスタッフ。それぞれお着物で参加しました。


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【季節を知る】2月:寒仕込み

みなさん、こんにちは。先月からコラムに挑戦し始めました、マイです!

コラム初心者ということで、何かテーマがあった方が書きやすいのでは?と「毎月の季節にちなんだあれこれ」を裏テーマ(?)にしようと密かに決めていました。
2月は節分のことにしよう!と思っていたのに、気づいたらバレンタインも過ぎている。。

ということで、節分は来年に回すとして、今回は先日仕込んだお味噌のことを。

今年で味噌作りは3年目。
「寒仕込みがいい」と聞き、毎年2月に仕込んでいたのですが、何が良いのか?調べてみました。


寒仕込みとは
字の通り、寒い時期に仕込むこと。
発酵がゆっくりと進むことで、旨味が増すとされており、風味豊かでまろやかな味噌ができあがるそうです。


、、、調べるもなにも、めちゃくちゃシンプルでした。


ちなみに、寒い時期以外に仕込んではいけないのか、ChatGPTに聞いてみたところ、

『現代では温度管理ができる環境が整っているため、春や秋などの他の季節にも仕込むことは可能です。
温暖な時期に仕込む場合でも、発酵が進みすぎないように温度管理をしっかり行えば、味噌をうまく仕込むことができます。最近では、温度を調整するために冷蔵庫や発酵器を使ったり、風通しの良い場所を選んだりする方法が取られることもあります。
まとめると、寒い時期がベストとは言われていますが、他の季節にも仕込むことができ、温度や管理の工夫次第で美味しい味噌を作ることができますよ!』

とのこと。ふーん、なるほど。ありがと。

浸水前でまだしわしわな大豆

約10時間後、水を吸ってぷっくりした大豆

【味噌の仕込み方】

  1. 大豆の準備

    • 大豆を洗って、たっぷりの水に一晩浸けます。

  2. 大豆を茹でる

    • 浸けた大豆を鍋に入れ、新しい水を加えて中火で煮ます。沸騰したらアクを取り、弱火で約2〜3時間ほど煮込みます。豆が簡単に潰れるくらい柔らかくなったら茹で上がりです。

  3. 大豆をつぶす

    • 茹でた大豆を水分を少し残して、フードプロセッサーやすりこぎで粗くつぶします。完全にペースト状にしないように、少し豆の粒感を残すと、食感が良い味噌になります。

  4. 麹と塩を混ぜる

    • 米麹と塩をよく混ぜ合わせます。

  5. 大豆と麹を混ぜ合わせる

    • つぶした大豆と麹・塩をよく混ぜ合わせます。このとき、手を使ってしっかりと混ぜるのがおすすめです。

  6. 容器に詰める

    • 混ぜた材料を団子状にして、清潔な容器に投げ入れます!空気が入らないように、なるべくぎゅうぎゅうに、隙間なく詰めることが大切です。表面を平らにし、上から塩を少し振りかけると、カビ防止になります。

  7. 発酵させる

    • 容器を涼しい場所で保存し、10ヶ月ほど発酵させます。

麹と塩をこすり合わせる(塩きり)

潰した大豆を加えて混ぜる

混ぜたもので団子を作って保存容器に空気が入らないように投げ入れていきます!思いっきり!

団子をならして、また団子を投げ入れていきます。

去年は 大豆1kg 玄米麹1kg 塩500g で、辛口のお味噌を仕込んだので、
今年は 大豆1kg 米麹1.5kg 塩500g で、麹を増やしてみました。少し甘みが出るかも?
仕上がりは4kgぐらいです。

ちなみに、大豆と麹は FARM CANNING でお世話になっている新潟の上野農場さんのものです。


お味噌作りは、量が多いので時間がかかりますが、大豆を茹でる際に圧力鍋を使うと時短になりますし、
作業自体はとってもシンプルです。

ご家族がいらっしゃる方は、みんなでこねこねすることで、自分たちに必要な常在菌が発酵の手助けをしてくれて、そのお味噌を摂取することでまた必要な常在菌を取り入れられる、なんてことも。
そうそう、同じ材料を使っても仕込む人が違えば味も変わるそうですよ!

菌って、深いですねぇ。

長くなりそうなので、菌についてはまたいつか。
ぜひみなさんで、楽しんで作ってみてくださいね!



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【季節を知る】1月:七草粥

はじめまして。
FARM CANNINGでSNSを担当しているマイです。
これまでは主にInstagramの更新をしていたのですが、今年からコラムにも挑戦しようと思っています。
どうぞよろしくお願いします!


わたしは、FARM CANNINGのチームに加わり3年目なのですが、実は、お野菜のこと、農業のことなどはあまり詳しくありません。
数年前まではどちらかというと野菜もお料理も苦手でした。

ベランダ菜園はことごとく失敗しているし、(アメリカに住む友達ですら育てるのが簡単!と言っていたシソも枯らしました)虫も苦手です。

このコラムでは、そんな「FARM CANNINGらしからぬ」わたしが体験したこと、感じたことを、そのままにお届けする予定です。


記念すべき第一回目は「七草粥」について。
これまで一度も食べたいと思ったことはなかったし、作ったこともなかったのですが、今年はなぜか「作ってみたい」と思ったので早速挑戦してみました。

どれがどれかわからず撮った写真。
スズナとスズシロがカブとダイコンだったなんて、、!おまけだと思ったの。

七草粥
〜若菜の生命力をいただき、無病息災を願う〜
野に咲く若菜から新しい生命力を取り入れる意味があるとともに、冬場に不足しがちな青菜をおぎない、正月のごちそう疲れの胃を休める効果もあります。

春の七草
それぞれ縁起の良い意味を持ちます。

セリ     競り勝つ
ナズナ    撫でて穢れをとる
ゴギョウ   御形 仏様のからだ
ハコベラ   繁縷 子孫繁栄
ホトケノザ  仏の座
スズナ    神様を呼ぶ鈴
スズシロ   穢れのない白


あ!!
突然思い出したのだけど、今年トリノで開催されたスローフードの祭典、Terra Madre の日本代表団にセリ農家の三浦 隆弘さんがいらっしゃったんです。
今年は「なぜか」作りたいと思った、と思っていたけど、わたしの潜在意識に「セリ」が刷り込まれていたのかも、、?


そんなこんなで。
いろいろ知ってから食べる七草粥は、子どもの頃に感じた「全然味がないもの」ではなく、とてもありがたくて心あたたまる、優しい味がしましたとさ。


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